「利幅」決定のためのバックテスト結果の活用法

リピート系システムの設定は、リスク管理が最も重要で基本的にリスクを元に設定されます。

マネースクエアがメンバー向けに提供している「らくとら運用試算表」などはそのために作られたツールと言えます。

一方、「利幅」はリスク設定にはほとんど影響せず、リターンに大きく影響し、バックテスト(過去の為替データを元に検証)するしかすべがありません。ただ、現状「利幅」決定のためのバックテストツールを提供している業者はなく(トライオートFXで提供されてはいますが、最適な設定を算出する機能はありません)、私はメタトレーダー(FXの自動売買用プラットフォーム)を使ってバックテストを行い、その結果に基づいて利幅を設定しています。

バックテストを参照するときは、あくまで傾向を把握するのが目的であり、あまり神経質になりすぎず5%から10%程度の差は許容誤差の範囲として考えるべきと思っています。

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バックテストは万能ではない

バックテストに利用する為替レートは、提供元によってスプレッドの設定が異なります。また、固定スプレッドで無い場合は、スプレッドの変動幅も違ってきます。例えば、10pipの利幅で運用した場合、スプレッドが1pip違うだけで、リターンが10%異なってきます。

バックテストを行う期間の設定もテスト結果に影響します。

また、バックテストでは含み損を最後に決算するベースで検証されるための、その影響も考えないといけません。

もっとマニアックな話ですと、バックテストに使う、時間足やデータので元によってもパフォーマンスが違ってきます。

したがって、5から10%くらいの差は簡単に生じてしまうのです。

従って、あまりバックテストの結果を真に受けず、5%-10%くらいの違いは誤差ととらえ、あくまで傾向を把握するためのデータと考えればいいと思います。

 

リピート系システムの検証にメタトレーダーのバックテストを用いる際の注意点

メタトレーダーは非常に便利なツールなのですが、欠点の一つとして、テストの最後のレートですべてのポジションを決算してしまうことにあります。

つまり、リピート系システムは含み損を抱えるのを前提としていますが、バックテストでは、テスト期間の最後で含み損を抱えたポジションが全て決算され、最後の含み損分がリターンをマイナスにしてしまいます。

従いまして、バックテスト結果からリターンを予測する場合はその点注意が必要です。

なお、当サイトではバックテスト結果から期待リターンを算出する場合は、その分を差し引いております。

 

バックテスト結果例

参考までに以下はCAD/JPYのバックテスト結果です。

5年間分のデータを使って、利幅を10 pipから200pipにまで変更してテストしています。

10から40pipくらいまでは、利幅を広くすることでリターンが明らかに向上していますが、50pip以降は、それほど変化していません。

一方、このバックテストはスプレッドが3.4pipで設定されているのですが、マネースクエアでのCAD/JPYのスプレッドは1.0 pipですので、実際にはその差の分リターンは良くなります。

特に、設定利幅が小さいケースほど取引回数が多いので、スプレッドのによるリターン改善効果が大きくなります。つまり、利幅を広げるほどリターンが大きくなっている様に見えますが、実際にはスプレッドの差などの諸条件のばらつきを考慮すると簡単に吸収されてしまう程度の差です。

他方、利幅を大きくとるデメリットとして取引数量が減り収益にばらつきが出てきるため、必ずしも良いとは言えません。

したがって、この場合ですと50pip以上は、ほぼ同程度のリターンとみなし、100 pipくらいまでのレンジであとは取引数量を見て好きな値で設定してやればいいと思います。

例えば50pipですと、取引回数は600回あります。5年のバックテストですので、年間120回。月に10回くらい利益確定がある計算になります。一方。利幅を200pipとすると取引回数は、200回程度にまで減りますので、月当りの平均取引回数は3-4回程度にまで減少します。そこまで少なくなると取引のない月が出てきてしまったりするので、安定して収益を挙げるという点では好ましくありません。

 

まとめ

リピート系システムで「利幅」を決定するときに、ミラートレーダーによるバックテスト結果は有益な情報になりますが、以下の注意が必要です。

  1. 5%-10%の差は誤差と考え、取引回数とのバランスで利幅を設定する
  2. リターンは実際よりも少なく表示されるのでそのまま参照しない(テストの最後で含み損を抱えたすべてのポジションが決算されるため)

 

その他

(2018年12月11日補足)

色々設定を変えてバックテストした結果から分かったことをメモ代わりに記載しておきます。

  1. バックテストに用いる時間足は、短い時間足を使うほど精度が上がり、リターンも向上するが、最適利幅の傾向は変わらない。また、短い時間足を使うほどテストに時間がかかってしまうため、当サイトでは1日足を使ってバックテストすることとする(リターンは少なめに算出されている)。
  2. 利幅を小さく設定するほど取引回数が増えコスト(スプレッド)の影響を受けやすくなる。おおむねどの通貨も利幅が0.1円から0.5円にかけて急激にリターンが向上し、1円付近からはそれほどリターンは変わらない。つまり、設定に悩んだ場合は、深く考えず利幅を1円としておけばそれほどパフォーマンスが下がることはない。
  3. 取引数量を小さくし、トラップ値幅を細かく設定しても、同じ総取引量でトラップ値幅を広く設定しても、パフォーマンスはそれほど変わらない(これはマネースクエアが口座開設者に配っている書籍にも同様の記載がある)。したがって、トライオートの様に1回当たりの取引数量を大きくした方が手数料が有利になる業者では、トラップ値幅を細かく設定しすぎないようにする。ループイフダンが有利か。
  4. トレール注文の効果の検証を試みたが、パラメータの影響が大きく、テストに時間もかかってしまい断念した。マネースクエアが推奨しているように、トレール注文を設定する場合は、最適利幅マイナストレール幅で設定することとする。

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